今年も暑かった「熱中症だ~」とか「光化学スモッグだ~」の夏が過ぎようとしています。
と言っても、まだまだ日中は暑い日が続いています。
しかし暦の上では、お盆が過ぎて、とっくに残暑の季節になっています。
「残暑お見舞い申し上げます。」
まだまだ、無理をせず、残りの夏を楽しみましょう。
さて、今回のセメント部、いつもと一味違います。
これまでの施工例といえば、プロの職人さんの仕事ぶりの紹介でしたが、
今回は、なんと 「自分でやってみた」 です。
写真①は、セメント部事務所から出ている下水道管を埋めている導線ですが、
セメント打設部分にクラックが入り、剥がれている所もあり、「困ったな」と言う写真です。
かねがね、どげんかせんと・・・と考えていましたが、
ほたっといても自然には直らんし・・・
どんどん悪くなるばっかりだし・・・
下水道管自体が破損すると、もっと大ごとだし・・・
セメントを打ち直してもまた割れそうだし・・・
クラックに何か充填しようか・・・
回りに合わしてアスファルトを使おうか・・・
知り合いの業者に格安で、お願いするわけにはいかないし・・・
「どうやって、補修するのが一番簡単で、安く、きれいに仕上がるか?」と考えたとき
やっぱり、セメント部はセメントを使わんと・・・と思うけど、そのまま使ってもまた割れそうだし・・・
さてどうしよう?となかなか手を出せず堂々巡りの日々をすごしてまいりましたが、
それでも、「やっぱりセメント部はセメントを使わなくっちゃ」ということで、いろいろ施工方法を試行錯誤した結果、
そうだ!あれを使って補修しよう!と思い立ち 今回の「やってみた」になりました。
それは、湿式材料の「ひび割れ・剥落防止用」ナイロン繊維です。
これはセメントを練るときの練り水に混ぜると、非常に高いひび割れ防止効果を発揮する繊維です。
残念ながらセメントミキサーまでは用意できず手練となりますが、丁寧に仕事をすれば、
かなりの効果が得られることを期待して、一生懸命やってみます。
工程 その1 (写真②)
まず補修箇所の破損部分の撤去です。 すでに割れているので、簡単にはがせました。
工程 その2
草むしり、そしてお掃除。そのまま埋めこもうかと不精も考えましたが、きれいに仕上げる為の一手間です。
工程 その3
強度が均一になるよう深さをそろえます。
管の上面と地面の高さにあまり差がないので、当然打ち代(うちしろ)も無いということになり、
モルタルが、あまり薄いと強度が足らず、厚いと自重で管を破損しても後が大事・・・・
などと、考えると切りがありませんので、とにかく進めます。
工程 その4
いよいよセメントモルタルを練ります。
使用するセメントは、すでにセメントと砂が絶妙に配合され、その手間の要らない「トクヤマ インスタントモルタル」(写真③)を使用しています。練り水に「ひび割れ・剥落防止用」ナイロン繊維(写真④)を混入しセメントを練ります。
保水性に優れ施工時のドライアウトを抑制、練り混ぜ時の分散性に優れ均一で安定した品質を確保、親水性に優れ左官工事における「こて滑り」・「こて切れ」を改善、繊維のつなぎ効果により塗り付け時の「パラ落ち」を防ぎ材料ロスを低減できるのが特徴です。(カタログより)
工程 その5(写真⑤)
打設開始です。
ドライアウトを防ぐ為、まず適量の打ち水をし、端からしっかり詰めていきます。
下水管の上は、打ち代があまり無いので、多少盛り上がりますが、ダレ無いよう注意して施工します。
地面と打設面が、スムーズにつながり 足などが引っかからないようしっかりコテでしっかり押さえます。
工程 その6(写真⑥)
打設終了です。「出来上がったら猫や犬の足跡が付いていた」では困りますので、しっかり乾くまで、養生します。
日曜大工の延長の様な仕事でしたが、写真①の状態から写真⑥まで、約40分の工程でした.
セメントを煉る船が小さかったので、2回半煉りました。
手際が良いのか悪いのかは皆様のご判断に委ねるとして、自分としては、仕上がりにそこそこ満足しています。
途中、予定に無かった雨が降ってきて、多少あわてましたが、何とかなりました。
工程その7(写真⑦)
完成です。多少回りを汚していますが、素人の仕事ですので、大目に見てください。
時間の経過とともに、風雨や人の歩行によって、周りの汚れは目立たなくなります・・・たぶん。
丁寧に仕事をすれば、普通に打設してもすぐには割れないと思いますので、
「ひび割れ・剥落防止用ナイロン繊維」の効果が確認できるのは、5年先・10年先と言うことになりますが、
変化(クラック・浮き等)があれば、お知らせいたします。
使用しました、「トクヤマ インスタントモルタル」・「ひび割れ・剥落防止用」ナイロン繊維といずれも山十セメント部の取り扱い商品です。
「トクヤマ インスタントモルタル」の便利さのポイントはいろいろありますが、なんといっても試験表の取れるインスタントセメントですので、高層階の公共工事などにも安心してお使いいただけます。
気になった方、気になるかもしれないという方、ぜひお問合せ下さい。
今回は、ここまでです。
長かった夏休みもそろそろ終わりです。遊び残しの無いようにしっかり遊びましょう。
大学生の皆さんはもうひと月くらいあるのでしょうか。就活や、大学院の受験等、大切なひと月ですね。
私が言うのもへんですが、対岸から応援しています。
冒頭にも書いてますが、「熱中症だ~」とか「光化学スモッグだ~」の夏が過ぎ、残暑と台風に季節になります。
例年の異常気象で、昔のように季節分けが非常に難しくなってきていますが、暦の上ではやっぱり残暑です。
これだけ暑い日が続くと、まさに残暑とはよく言ったものです。「残暑」という言葉にうだる様な暑さを連想してしまう私は、はっきり言って嫌いです。
ところで、夏の疲れが、そろそろ出始めてはいませんか?「夏風邪だー」「夏バテだー」「クーラー病だ~」「食欲不振だ~」「夏痩せだ~」(個人的には夏痩せ大歓迎、むしろ夏痩せしたい方ですが。)では困りますが、だんだん朝夕と昼の気温差と、何処からともなく聞こえてくる虫の音に、秋を感じるようになっていきます。もう少しの辛抱です。
また、季節の変わり目は体調を崩しやすい季節です。ご自愛下さい。
次回予告
次回のセメント部更新時期は、すでに初冬と呼べる季節か、すっかり冬の頃になります。
が、まだ何も考えていません。補修しなくてはならないところは、まだまだありますので、ぼちぼち取り掛かりたいと思いまが。が、2回連続で「やってみた」というわけにはいかない?「ネタがなければするかも」というところです。
また、引き続き広くネタを募集中です。メーカーの皆様、紹介したい商品・工法等がありましたら、御一報下さい。
おまけ。
「カブトエビ」ってご存知ですか。知っている人に言わせれば、非常にポピュラーな生き物だそうです。カブトガニは、曽根の干潟で有名ですが、私自身51年も生きてきて、聞いたことも、見たこともありませんでした。
ところが、先日(ふた月ほど前の話ですが)、自然な状態で、しかも大量に発生している生きた姿を初めてみました。
思わずすくって、携帯でパチリしてしまいました。(写真⑧)
大きいもので、頭の先から尻尾までの体長は約5センチ、甲羅の裏には、頭と腹?と数え切れないほどの足。
ウィキペディアによると原始的な生物で、生きた化石とも呼ばれているそうです。
場所は、遠賀郡水巻町の、商品の配達をお願いしている運送会社の倉庫の裏の田んぼです。
はじめは、茶色っぽいオタマジャクシかと見えたのですが、よ~く見ると裏向きに泳ぎ、足がいっぱいうごめいている様子に「なんじゃこりゃ」。
生きた化石と言われる割には、広く何処にでも生息しているそうです。
見れば見るほどに不思議な形状に、初めての私には、もう一回「なんじゃこりゃ?」でありました。
(尚、カブトエビの皆様には、記念撮影後田んぼに帰っていただきました。
考えてみると、それが珍しいかそうでないかは、本人が知ってるか知らないか、見たことあるか無いか、による物だと気づかされました。そうすると半世紀生きている私の知らないものが、まだまだ世の中に転がっているのかと思うと、それらに出会うのが楽しみでもあります。今からビックリする心構えをしておきます。 チャンチャン! セメント部 籾木